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米大使、26日広島へ 首相同行 核軍縮で協調アピール

 米国のエマニュエル駐日大使が26日に被爆地広島の平和記念公園(広島市中区)を訪問する方向で日米両政府が調整していることが19日、分かった。新型コロナウイルスの感染状況などをみて最終判断する。岸田文雄首相(広島1区)も同行し、ライフワークとする「核兵器のない世界」の実現に向けた日米連携を深めたい考えだ。

 着任からわずか1カ月での被爆地訪問で、核軍縮分野での日米間の協調をアピールする狙いがあるとみられる。政府関係者によると、原爆資料館の見学や原爆慰霊碑への献花などを予定する。岸田内閣で核軍縮・不拡散問題を担当する寺田稔首相補佐官(広島5区)も帯同する。

 エマニュエル氏は2016年に米現職大統領として初めて広島を訪れたオバマ氏の政権下で首席補佐官を務めた。当時副大統領だったバイデン現大統領と関係が深い。1月23日に来日。首相に初めて面会した2月4日、早期に広島を訪れる意向を示し、首相も同行すると応じていた。

 首相サイドは、世界の政治指導者たちを広島に招いて年内に開く「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議」への弾みにしたい意向だ。エマニュエル氏が被爆地で核兵器の非人道性に触れ、平和と軍縮のメッセージを発信することで「国際賢人会議への各国首脳の招致を後押しできる」(首相周辺)との見方が出ている。(樋口浩二)

(2022年2月20日朝刊掲載)

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