×

ニュース

広島の善意でガザ支援 募金を現地での診療代に

■記者 桑島美帆

 パレスチナ自治区ガザの復興支援のため、広島の市民団体が集めた募金約30万円が、現地の診療所に近く届けられる。イスラエルによる大規模攻撃で被災した約300人分の診療代に充てられる。

 支援先は、ガザ市やラファ市などで計3カ所の診療所を運営している「ユニオン・オブ・ヘルス・ケア・コミッティーズ」(UHCC)。1人分の診療代は約1250円で、うち住民負担を除く約1千円が海外からの支援金で賄われているという。

 募金は、パレスチナ女性を支援する非政府組織(NGO)「サラーム」や市民団体「広島・中東ネットワーク」など広島の団体が中心となり、今年1月から映画会やイベントなどで協力を呼び掛けた。サラームの現地スタッフとしてエルサレムに滞在している水本敏子さん(50)=広島市中区出身=を通じて届ける。

 水本さんによると、イスラエルとパレスチナ自治区との停戦から5カ月近くになるものの、イスラエルのガザ封鎖は続き、「検問を通らなければ物資は届かず、再建は遅々として進んでいない」。アラビア語が話せる医師やカウンセラーも不足しているという。

(2009年6月9日朝刊掲載)

関連記事
ヒロシマとパレスチナ 草の根交流できずな深める (09年3月21日)
原爆ドーム前 イスラエルのガザ空爆に市民有志が抗議 (09年1月20日)
パレスチナ難民の「大惨劇」伝え続けたい ローズマリー・サーイグさん (09年1月 9日)

年別アーカイブ