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竹島 外交交渉進展望む 島根知事 式典 一般参加見送り

 日韓が領有権を主張する島根県の竹島(韓国名・独島(トクト))を巡り、同県が条例で「竹島の日」と定める22日、県や県議会が松江市の県民会館で記念式典を開いた。17回目の今年は新型コロナウイルスの感染拡大により初めて一般参加を見送り。政府代表の内閣府政務官や国会議員4人を含む85人が領土権の確立に向け機運を高めた。

 韓国が竹島を含む沿岸水域の主権を主張した1952年の「李承晩(イスンマン)宣言」から70年。丸山達也知事はあいさつで、韓国の警察庁長官の上陸など最近の動きを「竹島の占拠を既成事実化しようとするもので極めて遺憾」と非難し、外交交渉の進展を政府に求めた。

 県が閣僚を求めている政府代表は10回連続で政務官の出席となった。小寺裕雄内閣府政務官は「県民の思いを胸に刻み、問題解決に向けた確かな足取りを踏み出せたと実感できるよう政府で総力を挙げる」と力を込めた。来賓の国会議員のあいさつでは、地元選出で衆院議長の細田博之氏の録画メッセージも流した。

 出席者は政府に対して全国各地での啓発展示や政府主催の式典の開催、若手研究者の育成を含む研究体制の強化―など計7項目を求める特別決議を承認した。

 式典はシンポジウムなどを見合わせた。県議会の竹島領土権確立議員連盟主催の「竹島問題を語る国民交流会」も2年連続で取りやめた。

 県警によると、会場周辺では約15の右翼団体の約30人が街宣車を走らせるなど活動。徳島、愛媛県警からの応援を含む約620人態勢で警戒し、大きなトラブルはなかったという。(松本大典)

(2022年2月23日朝刊掲載)

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