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被爆直後の広島撮影 6人の遺影を登録 平和祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は22日、原爆投下直後の被害状況や、きのこ雲の写真を残した撮影者6人の遺影を新たに登録したと発表した。遺影は館内で閲覧でき、3月に開始予定の企画展でも6人を取り上げる。

 6人は軍の報道班員や動員学徒、写真館の店主などで、自ら被爆したり家族を失ったりしながらも被爆後の広島を記録した。同館が企画展の調査の中で遺族から遺影の提供を受け、昨年7~12月に登録した。

 このうち中国軍管区司令部報道班員だった岸田貢宜さん=当時(29)=は被爆翌日、自宅兼写真館があった本通り商店街の廃虚を撮影した。ほかに岸本吉太さん=同(43)、織田吾郎さん=同(32)、黒石勝さん=同(33)、尾木正己さん=同(31)、深田敏夫さん=同(16)=の遺影も登録した。

 企画展「震えるまなざし 撮影者たちが残したことば」では、元中国新聞社カメラマンの松重美人さん(2005年に92歳で死去)たち撮影者の被爆や葛藤を伝える約30分の映像を上映し、写真パネルや体験記約30編も紹介する。「被爆しながらも写真を残した人たちを知る機会にしてほしい」と同館。新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月6日まで臨時休館中だが、再開次第、企画展を始める。(明知隼二)

(2022年2月23日朝刊掲載)

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