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広島訪問見送り 駐日米大使と首相 ウクライナ情勢

 日米両政府が調整していた米国のエマニュエル駐日大使の26日の被爆地広島訪問が見送りとなったことが23日、分かった。緊迫さを増すウクライナ情勢を踏まえた判断で、3月以降で再調整する見通しだ。同行を計画していた岸田文雄首相(広島1区)は東京都内にとどまり、危機管理対応に専念するという。

 エマニュエル氏は今回、広島市中区の平和記念公園を訪れ、首相や岸田内閣で核軍縮・不拡散問題などを担う寺田稔首相補佐官(広島5区)たちとともに原爆資料館の見学や原爆慰霊碑への献花を予定していた。首相は、核兵器廃絶を国内外に訴える高校生平和大使との面会も探っていた。

 複数の政府関係者によると、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の2地域の独立を承認、派兵を命じるなど外交情勢が厳しくなっているため、今回は見送りを決めた。

 首相サイドは、エマニュエル氏による広島訪問を、年内に広島で開く「核兵器のない世界に向けた国際賢人会議」への弾みにしたい考え。このため、日程を再調整して実現を図るという。

 エマニュエル氏は1月23日に来日。初めて首相と面会した2月4日、早期に被爆地広島を訪れる意向を示し、首相が同行すると応じていた。(樋口浩二)

(2022年2月24日朝刊掲載)

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