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連載・特集

広島世界平和ミッション 米国編 第3部 歴史へのまなざし <5> 思い出の病院

 「お帰りなさい」。平和ミッション第六陣一行にニューヨークで加わったカリフォルニア州在住の笹森恵子さん(72)は、マウント・サイナイ病院のスタッフに温かく迎えられた。笹森さんは一九五五年、同病院でやけど治療を受けた二十五人の女性の一人。原爆投下から十年後、米国の市民は、日本で人目をしのんで暮らしていた独身女性たちに救いの手を差し伸べた。笹森さんはその後、米国での生活を選んだ。その笑顔は市民レベルでの「和解」の大切さを証明していた。

(2005年6月24日朝刊掲載)

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