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ドーム案内続け20万人 元英語教諭の三登さん達成

 広島市中区の原爆ドームそばで2006年からほぼ毎日、ボランティアガイドを続ける胎内被爆者の三登浩成さん(67)=広島県府中町=はこのほど、案内した人が通算20万人を超えた。元英語教諭の経験を生かし、外国人にも積極的に平和への思いを発信している。

 三登さんは雨の日を除き、午前9時ごろから夕方までドームそばに立つ。観光客に「案内しましょうか」と声を掛け、自らの被爆者健康手帳や原爆ドームの被爆前の写真などを見せながら、原爆の悲惨さを語り聞かせる。

 案内した人数は、手帳に書き留めてきた。外国人は、出身国を聞けた人だけ記している。その数は、153カ国・地域の約2万5千人となった。

 退職後、60歳でガイドを始めた。同居する母登美枝さん(95)は原爆投下の3日後、小町(現中区)にあった自宅の様子を確かめようと、疎開先の畑賀村(現安芸区)から入市し、被爆した。

 1946年1月に生まれた三登さんは、教員時代から「自分なりの平和活動をしたい」と考えていた。ガイドを続けるうち、評判を聞いて訪ねてくる人も増えた。後日、礼状が届くこともある。

 「誰もが真剣に聞いてくれるのが励み」と三登さん。「ヒロシマの真実を多くの人に伝えることこそ、核兵器廃絶への道と信じ、地道に活動を続ける」と話している。 (田中美千子)

(2013年10月14日朝刊掲載)

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