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原爆 心の被害共有を 広島大講座 専門家ら語る

 被爆者の心の傷をテーマにした広島大平和センター(広島市中区)の市民公開講座が、オンラインで開かれた。専門家たち5人が、被爆者の精神的な被害について共有し、次世代に継承する意義を強調した。

 同センターの川野徳幸センター長は、被爆者それぞれの思いには「核兵器なき世界」への願いとともに、原爆投下への恨みなど複雑な感情が共存していると指摘。「次世代がそれをどう受け止め、つなげていくかが課題だ」と述べた。

 原爆資料館(同)の滝川卓男館長は、被爆者が描いた絵について「犠牲者の姿をきれいに描いている。惨状を生き延びた人の心情を知ることができる」と紹介。「展示を見た一人一人の記憶が意識や行動を変え、平和な社会の醸成につながる」と資料館の役割を語った。

 講座は共催する資料館などから配信。約120人が視聴した。(石井雄一)

(2022年2月28日朝刊掲載)

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