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「ヒロシマ」英語で伝えて 原爆資料館 教材を無料配信へ

 原爆資料館(広島市中区)は、原爆被害の実態を英語で伝える自主学習用の教材を初めて作った。テキストと音声の電子データを希望者に無料で配信する。海外で広島を紹介するときや、海外からの訪問者を案内する際に役立ててもらう。

 教材は、外国人旅行者に平和記念公園(同)を案内するストーリー仕立てで作成。原爆ドーム▽レストハウス▽原爆の子の像▽原爆慰霊碑▽被爆アオギリ―の5カ所を巡り、爆心地からの距離や放射線の影響、約14万人に上る1945年末までの犠牲者数の推計値などを紹介する。

 33ページで日本語の対訳もある。音声データは英語のみで、聞き取りや発音の練習がしやすいように再生速度は標準とゆっくりの2段階を設けている。テキストで紹介した場所を詳しく学べるウェブサイトのアドレスも載せる。アンケートに答えると、復興期に市民の心の支えとなった広島東洋カープの歩みをまとめた特設ページを見られる。

 同館は2006年度から、原爆被害の実態を英語で表現するためのセミナーを毎年開いてきたが、新型コロナウイルス禍で対面開催が難しくなったため、今回の配信を始めた。希望者は同館のホームページから申し込む。同館は「多くの命を奪い、長期にわたる被害ももたらす核兵器の実態を世界の人に知ってもらうために活用してほしい」としている。(小林可奈)

(2022年2月28日朝刊掲載)

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