×

ニュース

広島・長崎市長が抗議 「第三の戦争被爆地生んではならぬ」

 ウクライナ侵攻を巡り、核兵器の使用を示唆するロシアのプーチン大統領に対し、広島市の松井一実市長は28日、長崎市の田上富久市長と連名で抗議文を送った。「第三の戦争被爆地を生むことは絶対にあってはならない」とし、侵略行為を直ちに中止するよう求めた。

 抗議文は在日ロシア大使館にファクスと郵便で送付。「誰にも二度と同じ体験をさせてはならないとの被爆者の切なる思いを踏みにじるもので、被爆地は強い憤りを感じている」とプーチン大統領を批判している。記者会見した松井市長は「広島のような惨禍につながりかねない。抑止力と信奉する核兵器がどのような結果を生むのか、もう一度しっかりと受け止めてほしい」と訴えた。

 安倍晋三元首相が米国との「核共有」に言及したことについては、岸田文雄首相が国会答弁で非核三原則を「国是」と述べ「核兵器を使用、保有する選択肢はない」と明言した点に触れ「政府は現総理の発言を踏まえた対応を」と求めた。

 広島県の湯崎英彦知事もこの日、プーチン大統領宛ての抗議文を同大使館に送った。核抑止部隊に特別警戒態勢を命じた点を、核兵器を背景とした「著しく不適切な脅し」と指摘。ウクライナへの軍事侵攻の中止と平和的解決を求めた。(明知隼二、宮野史康)

(2022年3月1日朝刊掲載)

年別アーカイブ