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使用なら「破滅的結末」 ビキニデー前に原水協

 日本原水協は28日、オンライン形式で全国集会を開いた。ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領が核兵器使用をにおわせる発言をしたことに非難が続出。安井正和事務局長は基調報告で「核による威嚇、脅迫であり、人類と世界に対する挑戦だ。絶対に許してはならない」と訴えた。

 集会は、米国による南太平洋ビキニ環礁での水爆実験で静岡県焼津市のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員らが被曝(ひばく)し68年となる3月1日の「ビキニデー」を前に開いた。

 日本原水協の役員らは東京都内からネット回線をつなぎ、小畑雅子代表理事があいさつでプーチン氏の発言を批判。「核使用がもたらすのは広島や長崎、ビキニのような大量破壊と、非人道的かつ破滅的な結末だ」と述べた。安井氏は世界各地で原爆パネル展を開くよう呼び掛け、日本政府に核兵器禁止条約への参加を求める署名活動を拡大する考えも示した。

 パネル討議には日本被団協や若者グループの代表者たちが参加。上智大の中野晃一教授(政治学)は、安倍晋三元首相(山口4区)が「核共有」政策を日本でも議論すべきだとの考えを示したことについて「背筋も凍る。戦争反対の声が強まる中、暴論だ」と断じた。(口元惇矢)

(2022年3月1日朝刊掲載)

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