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維新、非核三原則見直しの動き 「国民を核戦争に導く」 日本被団協 撤回求め緊急声明

 日本被団協は2日、日本維新の会が非核三原則の見直しなどを政府に提言する構えを見せていることについて「国民を核戦争に導き命を奪い、国土を廃虚と化す危険な提言だ」と断じ、撤回を求める緊急声明を出した。オンライン形式の記者会見で和田征子事務局次長が読み上げた。

 米国による広島、長崎への原爆投下で多くの命が奪われ、生き残った人々も心身をむしばまれていることを改めて強調。日本被団協が1984年に発表し運動の根幹とした「原爆被害者の基本要求」を引き、核兵器は「絶滅だけを目的とした狂気の兵器。人間として認めることのできない絶対悪の兵器だ」と訴えた。

 非核三原則の見直しや、日本領土内に米国の核兵器を置いて共同運用する「核共有」政策の検討を政府に求める方針の日本維新の会に対し、基本的人権や憲法を順守するよう要望。「国民の命や暮らしを守る政治の実現に尽力することを強く求める」と結んでいる。

 ファクスで声明を送り、会見した日本被団協の田中重光代表委員は「再び被爆者をつくるなと運動してきた、われわれ被爆者の努力を無にするような提言で許されない」と批判した。(中川雅晴、山本庸平)

(2022年3月3日朝刊掲載)

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