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侵攻「一日も早く終結を」 広島のカトリック信徒たち祈り

 カトリック広島司教区などは2日、ロシアに侵攻されたウクライナに向けて平和への思いをささげる集いを幟町教会(広島市中区)の世界平和記念聖堂で開いた。ウクライナ出身の市民も参加し、被爆地から早期の戦争終結を共に願った。

 ローマ教皇フランシスコがこの日を「祈りと断食の日」とするよう呼び掛けたのを受け、NPO法人「ANT―Hiroshima」(同)などと共催。市民85人が黙とうした。白浜満司教(59)は「戦争が一日も早く終結し、人々の命と幸せな暮らしが守られますように」「広島と長崎の核兵器による悲劇が繰り返されませんように」と語った。

 エリザベト音楽大の非常勤講師で首都キエフ出身のオレクサンドル・コバレンコさん(41)が、隣国ポーランド出身の友人ウルシュラ・スティチェックさんと一緒に出席。日本語で「平和が戻りますように」と力を込めた。クラシックギター奏者、上垣内(かみがいち)寿光さん(43)たちによる演奏もあった。

 広島大大学院1年の赤井理子さん(23)=福山市=は「憤っていた心が祈りと音楽で解きほぐされた。戦争で苦しむ人たちに寄り添いたい」。両親がキエフにいるコバレンコさんは集いの終了後、思い詰めた表情で「広島からも食料や物資を援助してほしい。核兵器の使用は許されない」と話していた。(湯浅梨奈)

(2022年3月3日朝刊掲載)

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