×

ニュース

山口県内でロシア抗議の声 被爆二世の会とゆだ苑 ウクライナ侵攻

 ロシアのウクライナ侵攻を巡り、山口県内の平和団体が抗議を強めている。被爆者の子や孫でつくる山口市の「被爆二世の会」を中心に中国地方の6団体は2日、岸田文雄首相とバイデン米大統領宛てに、ロシアに即時撤退などを求めるよう要請する文書を送った。

 岸田首相には「核兵器の使用の結果をよく知っている日本政府は、平和な世界をつくる義務がある。米国に追従せず、武力に頼らない平和の実現のため行動すべきだ」と訴えた。

 バイデン大統領には「市民に原爆を使用した米国が核兵器を造り続け、核保有国を増やしている。中国やロシアへの敵視政策が今回の事態を招いた要因の一つ」などと糾弾した。軍事介入せず、解決に努めるよう訴えた。

 6団体は2月28日、山口市内でロシアに抗議する街頭活動もし、市民約80人が参加した。

 県原爆被爆者支援センターゆだ苑(山口市)の岩本晋理事長(79)は「強い哀れみと深い悲しみを感じる」とプーチン大統領に抗議するコメントを出した。

 プーチン大統領は2月27日、核兵器を運用する部隊を戦闘警戒態勢に置くよう命じた。核兵器禁止条約の発効から1年余り。岩本理事長は「時代遅れの核思想を憂慮する」とし「核兵器禁止条約こそが、被爆者の強い平和の願いと『過ちはくりかえしません』という願いをかなえる第一歩だった」とした。(山下美波)

(2022年3月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ