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戦禍の子の今 伝えたい ウクライナ侵攻で福山市立大の大庭准教授 SNSで発信 「未来守る」

 福山市立大の大庭三枝准教授(57)が、会員制交流サイト(SNS)などを通じてウクライナの子どもたちの状況を伝えている。自身が所属する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の関連機関が投稿した現地の情報を拡散し、ロシアの軍事侵攻への抗議の国際的な機運を高めたいとしている。

 大庭准教授は、ユネスコに協力する世界幼児教育保育機構(OMEP)の日本委員会理事を務める。OMEP欧州支部のフェイスブックにはロシアの侵攻後、ウクライナの首都キエフの地下鉄の駅で生まれたとされる赤ちゃんなどの写真が投稿された。

 写真を見た大庭准教授は励ましのコメントを送信し、「現地の子どもたちが安心して暮らせない現状を見過ごせない」と自身のフェイスブックやメールで英語などで情報の拡散を始めた。日本国内をはじめ、フランスやクロアチア、カナダから賛同や再拡散などの反応が集まった。「子どもを大切に思う気持ちに国境はない」と受け止める。

 現在はOMEPのウクライナ関係者に拡散後の反響や日本国内での支援の動きなどを伝え、やりとりを続けている。大庭准教授は「現地の人に孤立無援ではないと伝えていく。発信を続けて多くの人たちと連帯し、子どもの未来を守りたい」と力を込める。(東山慧介)

(2022年3月5日朝刊掲載)

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