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島根原発稼働判断 30キロ圏3市の意向反映 知事、明文化の考え

 島根県の溝口善兵衛知事は17日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の稼働に向けた判断に、原発30キロ圏の出雲、雲南、安来市の意向を反映するよう定めた文書を近く3市と交わす考えを示した。この日、県庁を訪れた3市長の要望に応えた。

 中電は定期検査で停止中の2号機で、再稼働に向けた安全審査を年内に原子力規制委員会へ申請する方針。一方、県は中電と結んでいる原子力安全協定に基づき申請を了解するかどうかを判断する。中電の申請前に、県が3市の意向を反映させる構図が鮮明となった。

 出雲市の長岡秀人、雲南市の速水雄一、安来市の近藤宏樹の3市長が、溝口知事に要望書を提出した。県による判断の前に3市へ丁寧な事前説明と誠意を持った対応をし、その考え方を明文化するよう求めた。

 溝口知事は「明文化したい」と回答。どこまで意見を反映させるかは「今後詰める」と述べるにとどめた。同じく原発30キロ圏に位置し、近く県に同様の要望をする構えの鳥取県、米子、境港市に対しても県は文書化に応じる方針。

 3市による昨年2月の要望には県の明確な回答はなかった。近藤市長は「大きな前進。明文化しないと責任が生じない」と評価した。3市は原発が立地する県、松江市と同等の安全協定を持たず原発稼働への発言権がないとして、稼働手続きの開始前に要望することを決めていた。(樋口浩二)

(2013年10月18日朝刊掲載)

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