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トンガ支援 心も届けた おおすみ 海自呉基地帰港 指揮官の松味1等海佐に聞く

コロナ対策気配り「メンバー意識高く」

 トンガへの国際緊急援助活動を終えて5日、呉市の海上自衛隊呉基地に帰港した輸送艦おおすみ。新型コロナウイルス対策に気を配りながら、トンガ国民と直接触れ合えない中での活動を無事に終えた。陸上自衛隊員を含めた約240人の部隊で指揮官を務めた、第1輸送隊司令の松味利紀1等海佐は「恵まれたメンバーが意識高く臨んでくれた」と活動を振り返った。(上木崇達)

  ―コロナ禍での活動となり、どのような難しさがありましたか。
 今回は非接触型の援助活動となった。物資の受け渡し時は現地の方に規制線の外に出てもらい、隊員は防護服やゴーグルを着用して活動した。冬の日本から出発したが、向こうは炎天下で相当な身体的負担があった。船から下りる隊員は船内で抗原検査を受け、トンガ政府に陰性証明を送った上で活動した。

  ―搭載した大型輸送ヘリコプターと水陸両用のエアクッション艇(LCAC)をどう使い、輸送に当たりましたか。
 まずは空路を使い、気象条件などが合わなければエアクッション艇を使う考えだった。空港の使用が可能だった上、おおすみを接岸できる港もあったので、今回はエアクッション艇を使わなかった。

  ―トンガ国民の反応はどうだったでしょうか。
 現地はロックダウン(都市封鎖)だったが、一部の方によって飛行場や岸壁で「ありがとう」と日本語で書かれた横断幕が掲げられていた。日本国旗も振ってくれた。支援物資とともに日本人の心を伝えようと、われわれも乗員が折った千羽鶴やトンガ語で書いたメッセージボードを添えた。隊員がワンチームとなり、輸送任務を全うできた。

(2022年3月6日朝刊掲載)

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