心はウクライナと共に 広島などで抗議集会 停戦・支援訴え
22年3月7日
「ウクライナと共にある」「戦争をやめろ」―。ロシアのウクライナ侵攻を受け広島市中区の原爆ドーム前で5日、広島在住のウクライナ人の呼び掛けで抗議集会が開かれた。故郷の現状や、残してきた家族の安否を気に掛けるウクライナ出身者たちが、国旗を模した青と黄のプラカードを手に集った。懸命に停戦と、母国への支援を訴える参加者に思いを聞いた。
この日の集会には、隣国ベラルーシや日本人たちを含め約120人が参加。侵攻の犠牲者のために黙とうした後、マイクを手に即時停戦やウクライナ支援を訴えた。
ウクライナからは連日、ロシア軍の都市攻撃や、隣国に逃れる人たちの様子が伝わる。呼び掛け人の一人、広島市のホーチナ・アナスタシヤさん(38)は「何百万の人が生活を奪われ、命を脅かされている。病院にもけが人がたくさんいる。一日でも早く戦争が終わってほしい」と訴えた。
「ロシアの人は目を覚まして」。ホンチャリック・ナターリャさん(47)=安佐南区=は、ロシア国民が自ら反戦運動などを通じてプーチン大統領を止めるよう願う。両親は今もウクライナ西部に暮らし、警報のたび避難を繰り返す生活が続いているという。「できるだけ連絡を取っているけど…」と心労をにじませた。
ベラルーシ出身のナジェーヤ・ムツキフさん(41)=安佐北区=は故郷の独裁政権が隣国への侵攻に加担する現状に苦しむ。「互いに仲良くしてきたのに。国民は絶対に戦争を望まない」と一刻も早い停戦を願う。
家族連れの参加者もおり、ウクライナ出身者の子どもが「平和になってほしい」「戦争が終わったら親戚やおばあちゃんに会いに行きたい」と話し、涙を流す場面もあった。参加者たちは今後、広島在住の出身者コミュニティーづくりを進め、現地支援にも取り組む考えという。
広島県東部でも抗議集会が相次いだ。JR福山駅(福山市)前では、市民団体の呼び掛けで約30人が「核兵器使用を許すな」などと訴えた。世話人の坪山和聖さん(67)は「ヒロシマやフクシマのような事態を二度と起こしてはいけない」と話した。
三原市中心部では約180人が「ウクライナに平和を」などと書いた紙を掲げ行進。同国出身で家族と参加した同市の主婦ガイダイ・オリガさん(36)は「国を守ろうと避難せず残る人もいる。現地にいる両親や友人が心配」と話した。
立ち止まらず声を上げる
ホンチャリック・ナターリャさん(47)=ウクライナ出身
ウクライナで起きていることは、必ず他の国にも影響を与える。今は立ち止まって見ているときではない。声を上げないといけない。
戦争止めるため力貸して
錦織タチアナさん(56)=ウクライナ出身
故郷の町も侵攻され、親戚の家でも食料や水が尽きそう。多くの人が苦しみ、亡くなっている。戦争を止めるため力を貸してほしい。
絶対に核使ったら駄目だ
ナジェーヤ・ムツキフさん(41)=ベラルーシ出身
チェルノブイリ原発事故を体験し、友人の家族ががんになるなどの影響を見て育った。戦争反対。絶対に核兵器を使ってはならない。
流血 一刻も早く収まって
平石大志さん(16)=母親がウクライナ出身で、親族はロシアにもゆかりがある
両国の人々が血を流している現状は心苦しい。一刻も早く収まってほしい。唯一の被爆国から声を上げ続けていきたい。
(2022年3月6日朝刊掲載)
この日の集会には、隣国ベラルーシや日本人たちを含め約120人が参加。侵攻の犠牲者のために黙とうした後、マイクを手に即時停戦やウクライナ支援を訴えた。
ウクライナからは連日、ロシア軍の都市攻撃や、隣国に逃れる人たちの様子が伝わる。呼び掛け人の一人、広島市のホーチナ・アナスタシヤさん(38)は「何百万の人が生活を奪われ、命を脅かされている。病院にもけが人がたくさんいる。一日でも早く戦争が終わってほしい」と訴えた。
「ロシアの人は目を覚まして」。ホンチャリック・ナターリャさん(47)=安佐南区=は、ロシア国民が自ら反戦運動などを通じてプーチン大統領を止めるよう願う。両親は今もウクライナ西部に暮らし、警報のたび避難を繰り返す生活が続いているという。「できるだけ連絡を取っているけど…」と心労をにじませた。
ベラルーシ出身のナジェーヤ・ムツキフさん(41)=安佐北区=は故郷の独裁政権が隣国への侵攻に加担する現状に苦しむ。「互いに仲良くしてきたのに。国民は絶対に戦争を望まない」と一刻も早い停戦を願う。
家族連れの参加者もおり、ウクライナ出身者の子どもが「平和になってほしい」「戦争が終わったら親戚やおばあちゃんに会いに行きたい」と話し、涙を流す場面もあった。参加者たちは今後、広島在住の出身者コミュニティーづくりを進め、現地支援にも取り組む考えという。
広島県東部でも抗議集会が相次いだ。JR福山駅(福山市)前では、市民団体の呼び掛けで約30人が「核兵器使用を許すな」などと訴えた。世話人の坪山和聖さん(67)は「ヒロシマやフクシマのような事態を二度と起こしてはいけない」と話した。
三原市中心部では約180人が「ウクライナに平和を」などと書いた紙を掲げ行進。同国出身で家族と参加した同市の主婦ガイダイ・オリガさん(36)は「国を守ろうと避難せず残る人もいる。現地にいる両親や友人が心配」と話した。
参加者の声
立ち止まらず声を上げる
ホンチャリック・ナターリャさん(47)=ウクライナ出身
ウクライナで起きていることは、必ず他の国にも影響を与える。今は立ち止まって見ているときではない。声を上げないといけない。
戦争止めるため力貸して
錦織タチアナさん(56)=ウクライナ出身
故郷の町も侵攻され、親戚の家でも食料や水が尽きそう。多くの人が苦しみ、亡くなっている。戦争を止めるため力を貸してほしい。
絶対に核使ったら駄目だ
ナジェーヤ・ムツキフさん(41)=ベラルーシ出身
チェルノブイリ原発事故を体験し、友人の家族ががんになるなどの影響を見て育った。戦争反対。絶対に核兵器を使ってはならない。
流血 一刻も早く収まって
平石大志さん(16)=母親がウクライナ出身で、親族はロシアにもゆかりがある
両国の人々が血を流している現状は心苦しい。一刻も早く収まってほしい。唯一の被爆国から声を上げ続けていきたい。
(2022年3月6日朝刊掲載)