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折り鶴再生 付箋届ける 広島市 将来の訪問期待 原爆資料館に来られなかった修学旅行生へ

 広島市は、新型コロナウイルスの感染拡大による修学旅行の中止などで原爆資料館(中区)を見学できなかった小中高生に、折り鶴を再生した付箋を届けている。平和を大切にする思いを持ち続けてもらい、感染収束後の広島訪問にもつなげたい考えだ。(余村泰樹)

 付箋は縦6センチ、横2センチ。平和記念公園(同)にある原爆の子の像と折り鶴▽原爆ドーム▽原爆慰霊碑とハト―の3種類の絵柄があり、絵柄ごとに10枚つづりになっている。原爆の子の像にささげられた折り鶴を再生し、市内の障害福祉サービス事業所が製作。本来は修学旅行や平和学習で資料館を訪れた小中高生に記念品として配っている。

 ただ、新型コロナ禍で修学旅行生は激減。2018年度には年間4606校、32万5397人が訪れたが、20年度は1125校、8万8830人に落ち込んだ。21年度も1月末時点で1721校、15万5282人にとどまる。

 市は2月9日から全国の教育委員会を通じ、付箋の配布を希望する学校を募り始めた。市観光政策部の山口芳明・観光プロモーション担当課長は「事前に平和学習をしながら来館できなかった学校も多い。せっかく深めた平和への思いや原爆の悲惨さを忘れず、いつか資料館を訪れてもらえれば」と期待している。

(2022年3月7日朝刊掲載)

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