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石巻での車いすダンス交流映像に 震災記憶 風化させぬ 広島の会

 車いす利用者とペアを組んだダンスを広める「広島車いすダンスくらぶ」が、東日本大震災で津波に襲われた宮城県石巻市を訪ねた記録映像が20日、広島市西区民文化センターで上映される。被災の記憶が薄れていく「風化」をどう防ぐか、を問い掛ける。無料。

 映像は「風化させないで」という題名で、上映時間は約15分。9月に仮設住宅の被災者を訪ねた、車いす利用者5人を含むダンスくらぶのメンバー10人を、アマチュア映像作家グループ「広島エイト倶楽部(くらぶ)」の佐々木博光会長(78)=安佐南区=が追った。

 映像は、仮設住宅近くの体育館などで車いすダンスを楽しむ様子を収めた。拍手し、涙ぐみながら、メンバーと踊る被災者。津波が襲った当時の映像や、現在の海岸べりの風景も交えている。

 「このまま忘れられちゃうのかな」「広島に帰って伝えてほしい」。被災者や石巻市幹部の声も伝える。

 「被災地のいまを感じてほしい」と佐々木会長。ダンスくらぶの仲井サカエ会長(71)=安佐北区=は「現地との交流を続けたい」と話している。

 20日はエイト倶楽部の上映会で、午後1時から。ほかに原爆投下時に負傷者が運び込まれた似島(南区)や、水都広島に架かる橋に焦点を当てた映像など計15作品を映す。(桑田勇樹)

(2013年10月18日朝刊掲載)

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