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埋め立てごみ大量露出 岩国基地内 防衛省が対応要請

 岩国市の米軍岩国基地の敷地内で、過去に埋め立てられたとみられる大量のごみがむき出しとなり、防衛省が住民に不安を与えないよう基地側に対応を要請していたことが8日、分かった。現場は市道沿いにあり、市民が市に問い合わせて発覚した。米軍が管理する敷地のため、国内法では規制が難しい。

 現場は岩国基地の北側で、市道に面したのり面に缶やプラスチック、タイヤとみられる大量のごみが約300メートルにわたって露出した状態になっている。過去に埋め立てられたごみが何らかの工事で重機に削られ、現れたもようだ。

 昨年末、市民から問い合わせや不安の声を受けた市が、中国四国防衛局を通じて基地側に問い合わせた。基地側は防衛局に「基地は環境への影響を防ぐため、廃棄物を正しく処分するよう監督、管理する上で地元の環境当局と協力している。ルールに従い、細心の注意を払っている」などと答えたという。

 基地は8日夕現在、ごみが露出した経緯や環境への対策を問う中国新聞の取材に回答していない。

 市や山口県によると、基地内の一般ごみは市の処理施設で、産業廃棄物は民間業者が処分しているという。国内法では、所有地でも廃棄物を埋めたり捨てたりすれば不法投棄として罰則が科せられるケースがあるが、環境の汚染がない限り、米軍管理の土地は対象とならない。市は「環境への影響を含め引き続き注視していきたい」としている。(有岡英俊)

(2022年3月9日朝刊掲載)

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