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公開型の収蔵庫新設 大和ミュージアム新装 呉市計画案 総事業費68億円

 呉市は9日、市内最大の集客施設である大和ミュージアムのリニューアル基本計画案を明らかにした。戦艦の関連機器の実物など大型資料を保管しつつ、来館者が見学もできる収蔵庫の新設が特徴。総事業費は約68億円。2005年の開館から20周年の節目となる25年度から順次、新装オープンする。

 公開型の収蔵庫はミュージアム西側の駐車場に整備する。現時点で、戦艦大和の建造時に使った強度試験機や戦艦「陸奥」の副砲、特殊潜航艇「海龍」の内部機器など35種類を、約2500平方メートルの収蔵スペースに置く予定。通路から見学でき、ガイドツアーの開催なども検討する。これまでは収蔵・公開するスペースが不足し、倉庫や屋外で保管せざるを得なかった。

 造船がテーマの「船をつくる技術」展示室は来館者の4割程度の利用にとどまっており、「科学技術展示室」(仮称)に一新。広海軍工廠(こうしょう)が担った航空機製造などを含めた戦前、戦後の呉のものづくり技術を紹介する。実物の大きさに近い飛行艇の模型や戦闘機用エンジン「誉(ほまれ)」などの仕組みを学ぶ展示を置く。

 北側にある出入り口周辺も混雑解消に向けて整備。屋内にあるショップと券売機は屋外に移動させた上で、待機しやすいよう大屋根の設置を検討する。

 新たな駐車場は53台分のスペースを暫定的に確保。今後、JR呉駅周辺再開発などの状況も見ながら、適地を見つけて整備するとした。

 既存施設は25年度のリニューアルオープンを予定。駐車場と大規模収蔵庫は27年度からの使用開始、開館を目指す。新型コロナウイルスの感染拡大前には年間約90万人が来場。開館以来初の大規模リニューアルとなる。(上木崇達)

(2022年3月10日朝刊掲載)

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