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似島・金輪島 戦時の歴史たどる 広島市郷土資料館で企画展 宇品港支えた役割示す310点

 戦前に旧陸軍の軍事施設が置かれた似島と金輪島(いずれも広島市南区)の歴史を伝える企画展が、市郷土資料館(南区)で開かれている。日本の兵員輸送の拠点だった宇品港(現広島港)の沖にある二つの島の役割を約310点の資料からたどる。27日まで。

 展示資料の9割に当たる約280点は似島関連。会場には、日清戦争の帰還兵たちの伝染病対策として建てられた検疫所内部を捉えた写真や、軍馬の検疫を担った馬匹(ばひつ)検疫所の焼却炉の設計図など貴重な資料が並ぶ。金輪島には造船・船舶修理工場が建設された。技師として働いていた男性が作った、当時の写真を集めたスクラップブックなどがある。

 企画した学芸員の大室謙二さん(53)は「小さな二つの島が半世紀にもわたって宇品港を支えた事実を、特に若い世代に知ってほしい」と話している。

 14、22、23日休館。入館料が必要。同館☎082(253)6771=休館日を除く午前9時~午後5時。(木原由維)

(2022年3月11日朝刊掲載)

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