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放射性物質管理 広島県長期不備 45年間 周辺影響なし

 広島県は10日、県保健環境センター(広島市南区)で放射性物質の酢酸ウラニルが国への届け出をしないまま45年間、不適切に保管されていたと発表した。人体や周辺地域への放射線の影響はないとしている。

 センター職員が2月24日、5階の機器室にある流し台の物入れを片付けていたところ、エックス線遮蔽(しゃへい)袋に包まれた缶の中から瓶(容量28グラム)2本を見つけ、酢酸ウラニルが入っていた。うち1本は若干量が使われていたという。

 センターでは1983年度まで在籍した職員が電子顕微鏡を使う際、検体に色を付ける酢酸ウラニルを使っていた。77年の原子炉等規制法改正で保管する放射性物質の種類と数量について国への届け出が必要になっていたが、怠っていた。2016年度にセンター内の毒物、劇物の整理をした際も見逃していた。

 センターは発見後、核燃料物質保管庫に移し、原子力規制庁に報告した。県研究開発課は「放射性物質の厳正な管理と職員への周知の徹底を図りたい」と陳謝している。

(2022年3月11日朝刊掲載)

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