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15年予定の太平洋・島サミット 広島市 候補地に名乗り

 政府が2015年に予定する「日本・太平洋諸島フォーラム首脳会議」(太平洋・島サミット)の開催候補地として、広島市が名乗りを上げていることが19日、分かった。被爆70年の節目に当たり、被爆地のメッセージを各国に伝える機会になるため。福島や沖縄など5県も候補地となっており、選定作業が大詰めを迎えている。

 広島市の関係者によると、外務省からの打診を受け、この夏にエントリー。被爆70年に各国の首脳が被爆地に集まる点に加え、瀬戸内海の多島美をアピールする狙いもある。

 開催地選定は、震災復興や基地問題などさまざまな要素が絡み、政府はこれまで判断に苦慮してきた。参加国の外相が都内に集まる今月26日の閣僚会合までに首相官邸が最終決定する見通しだ。

 太平洋・島サミットは、日本と太平洋の島しょ国・地域が開発や環境問題を話し合うため、日本政府の音頭取りで1997年に開始。3年ごとに計6回、国内で開いた。

 政府関係者によると、外務省は広島市をはじめ、福島、静岡、大分、宮崎、沖縄の計6自治体の適性を評価した書類を首相官邸に提出。この関係者は「これまでの検討では、福島、沖縄両県が有力」との見方を示している。

 沖縄県は過去最多の3回、会場となった実績がある。福島県の場合、東日本大震災からの復興を国際社会に発信し、東京電力福島第1原発事故の風評被害払拭(ふっしょく)の絶好の機会になるとみている。

太平洋・島サミット
 日本政府が、オセアニア地域の協力機構「太平洋諸島フォーラム(PIF)」加盟国の首脳らを招き、環境や防災、海洋資源などの課題を話し合う会議。1997年に東京都で第1回の会合を開催し、3年ごとに日本で開いている。第2回が宮崎県、第3、4、6回は沖縄県、第5回は北海道で開かれた。前回2012年5月の第6回は日本やトンガ、オーストラリアなど計17カ国・地域が参加し、海洋秩序を守るための連携強化を柱とする首脳宣言を採択した。

(2013年10月20日朝刊掲載)

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