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「黒い雨」被爆者認定 11疾病発症要件 除外を申し入れ 支援する会など

 原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」被害者を被爆者として認定する国の新指針の運用が4月に始まるのを前に、被害者を支援する会などは11日、がんなど11疾病の発症を認定の要件から除外するよう国と広島県、広島市に文書で申し入れた。

 申し入れ書は、県内の男女84人に被爆者健康手帳の交付を命じた昨年7月の広島高裁判決は疾病の有無にかかわらず、黒い雨に遭った人を被爆者と認めたと指摘。「これを無視した審査基準は到底認められない」とし、新指針から疾病要件を外すよう求めている。

 6人が県庁と市役所を訪れ、各担当課の職員に手渡した。厚生労働省へは県選出の国会議員を通じて要請した。県庁で記者会見した世話人の高東征二さん(81)=佐伯区=は「健康不安を抱える一人でも多くの人を救済できる制度にしてほしい」と訴えた。

 4月1日からの新指針では本人の証言や在学記録で黒い雨に遭った可能性を否定できない場合は被爆者と認定。疾病要件を残した上で白内障は発症中でなくても手術歴があれば認める。

(2022年3月12日朝刊掲載)

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