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震災復興 住宅再建の加速表明 首相 用地取得 特例で短縮

 安倍晋三首相は19日、東日本大震災後の住宅再建や復興に向けたまちづくりを加速させるため、防災集団移転などの用地取得に必要な期間を大幅に短縮する新たな特例措置を講ずる考えを表明した。視察先の福島県南相馬市で記者団に「新しい取り組みを活用し、復興を加速させたい」と語った。安倍政権の「復興優先」の姿勢をアピールする狙いがある。

 新たな措置は、半年程度かかるとされる用地取得期間を最短で3週間程度に縮める「加速化プログラム」が柱で、復興庁がまとめた。手続きを簡素化するほか、自治体への支援を充実させる。

 所有者不明の土地の調査などに時間がかかることで用地取得が進まず、津波被害を受けた集落を高台や内陸に移転する防災集団移転に支障が出ている現状を考慮した。

 一方、東京電力福島第1原発事故の汚染水問題に関し、首相は「福島の水産物、農産物が安全だと正確な情報を発信していきたい」と述べ、風評被害をなくすよう努める意向を示した。漁業をめぐっては「試験(操業)とはいえ漁が再開された。検査の結果、全て安全であることが明らかになった」と強調した。

 これに先立ち首相は同県相馬市の松川浦漁港を訪れ、汚染水問題で一時中断し、9月下旬に再開した試験操業の様子を視察した。水揚げ状況や放射性物質の検査態勢を確認。近海で取れたタコやシラスなどを試食した。

(2013年10月20日朝刊掲載)

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