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同級生 原爆の記憶つづる 加計国民学校卒35人が冊子

 1945年の原爆投下時に安芸太田町加計の旧加計国民学校初等科5年だった卒業生でつくる同期会が、68年前のあの日の記憶を冊子にまとめた。19日、広島市中区での会合で配り、原爆の悲惨さに思いをはせた。

 A4判で26ページ。「原爆投下時にどこで何をしたか」「残し伝えたいこと」など4問のアンケートを会員約60人に郵送し、回答した35人の内容を掲載した。

 35人に被爆者はいないが、多くの人が爆音を聞き、山の上にきのこ雲が上がったと記述。広島市内から加計に逃げてくる負傷者を見たり、兄を原爆で失ったりした人もいた。

 この日の会合にはアンケートに答えた16人が参加。冊子をまとめた新沢孝重さん(79)から受け取ると、「貴重な資料になった」などと語り合った。

 冊子は安芸太田町教委と町内の小中学校、図書館に計15冊寄贈した。新沢さんは「加計のあの日を残した記録がなく、次世代に語り継ぎたいと思っていた。平和学習に役立ててほしい」と話していた。(河野揚)

(2013年10月20日朝刊掲載)

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