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核抑止 国民議論深化を プーチン氏言動で安保討論会

 ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用をちらつかせる中、シンクタンクの日本国際問題研究所(東京)は16日、核抑止をテーマにした緊急のオンライン討論会を開いた。安全保障に詳しい国内外の専門家6人が意見を交わした。

 一橋大大学院の秋山信将教授(軍備管理)は外交交渉は関係国間の対話により、紛争にならないよう努力することが重要だと説明。核兵器の役割については抑止力だけではなくリスクも考慮するべきだとの立場から「ポジティブ、ネガティブの両面を評価する必要がある」と説いた。

 日本の領土内に米国の核兵器を置いて共同運用する核共有政策への言及もあった。防衛省防衛研究所(東京)の高橋杉雄防衛政策研究室長は私見として「抑止力が強化され、日本国民の安心につながる効果がある」と述べる一方、「国民自身が議論を深めることが重要だ」と訴えた。

 米ローレンス・リバモア国立研究所のブラッド・ロバーツ氏は国際的な議論の動向について「韓国やオーストラリアでも米国の核の傘を強化すべきかどうかという議論が出ている」と説明した。(口元惇矢)

(2022年3月17日朝刊掲載)

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