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図書館移転 原案可決 広島市議会委 修正案を否決

 広島市中区の中央図書館などをJR広島駅前の商業施設「エールエールA館」(南区)に移す市の計画で、市議会(定数54、欠員6)の予算特別委員会は16日、関連費用を盛り込んだ市提出の2022年度一般会計当初予算案を可決した。市民への丁寧な説明を求める付帯決議案と共に17日の本会議で可決される見通し。市民の賛否の声を背景に、市議会を二分する議論となっていた。計画が前進する方向となった一方、市は現地建て替えの可能性を含めて議論し、決定する考えを強調した。(余村泰樹)

 市提出の原案に先立ち、関連予算の大半を削除する議員提出の修正案が採決された。議長や体調不良の議員を除く45人が参加。21人が賛成して原案に反対の立場を示し、否決された。

 全8会派(二つは1人会派)のうち、修正案に賛成したのは自民党保守クラブ(11人)市政改革ネットワーク(6人)共産党(5人)の3会派。反対したのは自民党市民クラブ(11人)公明党(8人)市民連合(5人)と1人会派の2人。

 市民に計画への賛否があることを踏まえ、自民党市民クラブ、公明党、市民連合、共産党などは16日、図書館の整備方針の作成や設計段階で市民や有識者の意見を取り入れることなどを市に求める付帯決議案を共同で提出した。

 予算特別委の後の総務委員会では、今後の計画の進め方に関する質問が相次いだ。杉山朗市民局長は「駅前移転が一番望ましいとの考えは変わらない」とする一方、「現地建て替えも含めてしっかり議論し、市民の意見を聞いた上で改めて結論を出したい」と述べた。市民に説明する方法や日程は未定とした。

 この日の予算特別委では、22年度の特別会計や企業会計の予算案など計56議案を原案通り可決した。

(2022年3月17日朝刊掲載)

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