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原爆症 国の基準疑問視 日本被団協など 援護策改善を要望

 原爆症認定を求める「ノーモア・ヒバクシャ」集団訴訟の原告団や日本被団協などは18日、厚生労働省に援護施策の早期改善を求めた。

 2008年からの集団訴訟で最後の原告となった長崎の2人の訴えを大阪高裁がこの日退けたのを受け、6団体の8人は厚労省を訪れ、担当者に声明文を手渡した。爆心地からの距離などに依拠した国の認定基準を疑問視。「認定のために裁判を起こさなければならない異常な事態が続いている」などと指摘している。

 日本被団協の児玉三智子事務局次長(84)=千葉県市川市=は記者会見で「線引きをすること自体が、非人道的だ。生きている間に援護施策を見直してほしい」と訴えた。

 一連のノーモア・ヒバクシャ訴訟では、原爆症認定を求めた120人のうち、8割近い91人の訴えが認められた。東京弁護団長の内藤雅義弁護士は「関係者は人生をさらして訴えることで、ここまで来ることができた。国は抜本的な解決に取り組んでほしい」と求めている。 (口元惇矢)

(2022年3月19日朝刊掲載)

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