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被爆2世ゲノム研究進展求める 放影研諮問委

 放射線影響研究所(放影研、広島市南区)の研究内容を審議する科学諮問委員会は18日、3日間の審議を終え、オンラインで記者会見を開いた。放射線の遺伝的影響を巡る研究の進展などを求めている。

 記者会見に臨んだ共同座長の甲斐倫明・日本文理大教授(放射線防護)は、放影研が検討している被爆2世のゲノム(全遺伝情報)研究について「最優先で取り組むことを希望する」と強調。研究に向けて昨年に外部諮問委員会を設けた放影研の丹羽太貫理事長は前向きな姿勢を示した上で「差別にもつながる問題。慎重に進めたい」と述べた。

 諮問委はこのほか、データや資料を管理する研究資源センターの充実や、若手研究者の育成、外部機関との共同研究の必要性も提示。6月をめどに審議の内容を勧告としてまとめ、放影研に提出する。

 科学諮問委員会は年1回開き、49回目の今年は新型コロナウイルス禍のため、非公開のオンラインで審議した。疫学など日米の専門家13人が参加した。

(2022年3月19日朝刊掲載)

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