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「権利侵害 想像力欠く」 松江市教委ゲン問題 日図協が指摘

 松江市教委による漫画「はだしのゲン」の閲覧制限問題を受け、日本図書館協会図書館の自由委員会は21日、市教委から経緯を聴取した。非公開の会談後、西河内靖泰委員長(59)は「(市教委に)表現や図書館の自由など重要な権利を侵すとの想像力が欠けていた」と指摘した。

 事実関係に加え、市教委が問題をどう総括したかを把握し、より良い図書館の在り方を探る目的。西河内委員長を含む委員3人が古川康徳副教育長たちから要請撤回の検討過程や各小中学校の対応なども聞き取った。

 両者によると、市教委は「教員の指導の下で読ませたいとの配慮だった。検閲とは考えなかった」と説明。昨年4、5月、松江市民が「ゲン」の撤去を求めた事実との関連は否定した。

 西河内委員長は「問題を教訓に、学校の自主性を尊重した図書館を目指す姿勢には感心した」とも述べた。11月21、22日に福岡市で開く全国図書館大会で報告する。(樋口浩二)

(2013年10月22日朝刊掲載)

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