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広島市の原爆ドーム健全度調査 速やかな補修 必要なし

 広島市は23日、世界遺産・原爆ドーム(中区)の傷み具合を点検する健全度調査の結果を公表した。目立った沈下や傾きはなく「速やかに補修が必要となる箇所はない」と判断した。この日、有識者たちでつくる保存技術指導委員会をオンラインで開き、結果を報告した。

 調査は1992年度からおおむね3年ごとに実施し9回目。2020年7月から約9カ月間、基礎地盤の沈下▽壁の傾き▽外壁のひび割れなどの外観調査▽防水性―の4項目を点検した。沈下は40カ所、壁の傾きは8カ所で測量した結果、「前回の調査から大きな差異は認められなかった」と結論付けた。今後、経過観察を続ける。

 この日の委員会には、委員10人のうち9人が出席。市は、健全度調査に小型無人機ドローンの活用を検討していることも報告した。委員からは活用に向けて「ドローンの限界も検証しながら検討を進めてほしい」との意見が出た。(小林可奈)

(2022年3月24日朝刊掲載)

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