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歴史的建造物の防災研究で協定 海自呉と広島工業大

 海上自衛隊呉地方総監部(呉市)と広島工業大(広島市佐伯区)は23日、歴史的建造物の防災・減災技術向上に向けた研究に関する連携協定を結んだ。同総監部によると、研究関連の協定を大学と結ぶのは初めてという。

 明治期に旧海軍が建造し、総監部が現在も使用している旧呉鎮守府庁舎と旧軍需部需品庫を対象とする。広工大が構造や劣化状況などを調査し、振動を計測するセンサーなどの機器を設置。震災時には損傷の状態を自動で判定する。

 海自側は、災害直後に避難の必要性などを判断できるようになる。継続的な観測で集めたデータは、大学側で歴史的建造物の保存などの研究に生かされるという。

 同総監部で調印式があった。園田直紀総監は「防災減災に資することができ、職場の安全性についても成果が得られる」と意義を強調。広工大の長坂康史学長は「大学に蓄積された研究を地域に還元したいという思いがあった」と話した。(仁科裕成)

(2022年3月25日朝刊掲載)

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