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被爆遺構展示館が開館 旧中島地区の痕跡伝える

 原爆投下で壊滅し、現在の平和記念公園(広島市中区)の地下に埋もれていた旧中島地区の痕跡を伝える「被爆遺構展示館」が26日、公園内にオープンした。焼け落ちた民家の土台や街路などを展示し、1発の原爆が市民の日常を奪った非人道性を発信する。

 原爆資料館東館の北側に市が建設した鉄骨平屋約80平方メートルの施設。発掘調査で地下約60センチから見つかった街路のアスファルトや民家の石材、瓦などの被爆遺構(約3・2メートル四方)を間近に見られる。被爆前の暮らしぶりが分かる写真の展示や大型スクリーンでの解説映像もある。

 この日は午前8時半に開館。1人目の来館者となった東京都港区の写真家細川文昌さん(58)は「人々の営みが原爆により一瞬で破壊されたことがリアルに感じられ、言葉が出ない」と話していた。

 展示館の建設は、原爆資料館の耐震工事に向けた2015~17年の発掘調査で被爆遺構が見つかったのがきっかけ。活用を求める市民の声を受け、市は良好な保存状態で18年に見つかった遺構を展示すると決め、被爆75年事業の一環で施設を整備した。

 開館は午前8時半。閉館時間は時期により異なり、7月までは午後6時。8月は7時(5、6日は8時)。9~11月は6時。12~2月は5時。入場無料。(川村正治)

(2022年3月27日朝刊掲載)

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