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原民喜しのび反戦詩朗読 中区で「花幻忌の集い」 露のウクライナ侵攻に抗議

 広島市出身の被爆作家、原民喜(1905~51年)をしのぶ「花幻忌(かげんき)の集い」が26日、中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館であった。学生たちが民喜の反戦詩を朗読し、ロシア軍によるウクライナ侵攻に抗議する思いを発信した。

 県内外から約30人が参加した。高校生と大学生の計3人が民喜の詩「コレガ人間ナノデス」や「碑銘」を朗読。ウクライナ侵攻にも触れ、「戦争は人間にとって大切なもの全てを奪う」と反戦を訴えた。

 大阪大2年中原奏さん(20)はウクライナ国旗の青と黄で染めた円の中に白い鶴と「STOP WAR」の文字を入れたオリジナルステッカーを配り、募金箱を置いて協力を呼び掛けた。中原さんは「原発への砲撃など人ごととは思えない。被爆地広島から声を上げることはきっと意味がある」と力を込めた。

 小説「夏の花」をはじめ被爆体験を基に多くの作品を残した民喜を顕彰する市民グループ「広島花幻忌の会」が、今月13日の命日に合わせて企画した。(川村正治)

(2022年3月28日朝刊掲載)

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