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禎子さんが題材 絵本を33言語に 91冊 県立図書館へ寄贈 広島のNPO

 NPO法人ANT―Hiroshima(広島市中区)は、絵本「おりづるの旅 さだこの祈りをのせて」(うみのしほ作)を33の言語に翻訳し、計91冊を中区の広島県立図書館へ寄贈した。県内で暮らす海外出身の子どもたちの利用を想定している。

 2歳で被爆し10年後に白血病で亡くなった佐々木禎子さんの生涯や、同級生たちが団結して「原爆の子の像」を建立し、世界へ平和の輪が広がる様子が、淡い色彩で描かれている。日本語のページに、ベトナム語などの翻訳文をそれぞれ貼り付けた。4月から館内の郷土資料コーナーで貸し出される予定だ。

 渡部朋子理事長(68)は「日本で暮らす外国籍の子どもたちは孤独に陥りがち。絵本を読み、世界に目を向けるきっかけに」と願う。ANTは約20年前からこの本を多言語に翻訳し、海外の紛争地に届けている。(桑島美帆)

(2022年3月28日朝刊掲載)

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