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米爆撃機の搭乗員2人 追悼祈念館に遺影登録

■記者 森田裕美

 捕虜として収容された広島で被爆死した米爆撃機の搭乗員2人の遺影が12日、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館に登録された。被爆米兵を調査する歴史研究家森重昭さん(72)=西区=が、親族から託されて届けた。これで同館に遺影が登録された米兵は11人となった。

 射撃手ラルフ・ニールさん=当時(23)=と、技師バッフォード・エリソンさん=同(22)。1945年7月28日に瀬戸内海沖で旧日本軍に撃墜されたロンサムレディー号の搭乗員だった。森さんによると、広島で被爆死した米兵は12人とされ、うち6人が同号の搭乗員。爆心地に近い中国軍管区司令部や周辺の収容所にいた。

 12人の被爆状況を調査し、遺族を捜す活動をしていた森さんは5年前、遺影の登録を始めた。2人の親族は、退役米軍人からの情報や新聞報道で森さんを知った。遺影には「この悲劇を私たちは忘れてはならない」との手紙も添えられていた。

 自身も被爆した森さんは「戦時中は敵だったが、同じ原爆の犠牲になった人間。慰霊されるべきだ」と涙ぐんだ。

(2009年6月13日朝刊掲載)

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