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「核なき世界」へ思い新た 高校生平和大使 国会で活動報告

 核兵器廃絶の署名活動などを代々続ける高校生平和大使は28日、国会を訪れ、2022年のノーベル平和賞に同大使を推薦した国会議員に取り組みを報告した。ウクライナに侵攻したロシアが核兵器使用を示唆して国際社会に緊張感が走る中、「核なき世界」への思いを改めて訴えた。

 広島県選出の5人を含む13都道県の大使31人は、昨年発効した核兵器禁止条約を世に周知するイベントや平和行進に取り組んだことを説明。ロシアに対し軍事侵攻や核の威嚇をやめるよう求める署名を募り、外務省に先日提出したという。

 報告を聞いたのはノーベル平和賞の推薦書に名を連ねた議員51人のうち約10人。立憲民主党の森本真治氏(参院広島)は広島、長崎後、核使用を封じ込めてきたのは「世論の力だ」と指摘し、喚起に貢献している大使たちに「活動を続けて」とエールを送った。

 高校生平和大使はインドとパキスタンの核実験をきっかけに、1998年に活動を開始。2018年から5年連続でノーベル平和賞候補に推薦されている。

 中国新聞ジュニアライターも務める安田女子高2年の岡島由奈さん(17)は「核兵器が使われるかもしれない恐怖を感じるのは生まれて初めて。絶対に核をなくさないといけない」と話した。大使たちは29日に外務省を訪れ、核軍縮の担当者と意見を交わす。(口元惇矢)

(2022年3月29日朝刊掲載)

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