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ウクライナ支援広がる 募金箱・収益寄付「思いを行動に」 島根県内で映画上映や慈善バザール

 ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナへの支援の動きが島根県内でも広がっている。戦争を題材にした映画の上映会や地域の事業者が集うバザールなど、有志たちがチャリティーイベントを続々と企画。戦禍に苦しむ人を思い「自分たちにできること」を実践する。(松島岳人、松本大典)

 益田市の映画館「SHIMANE CINEMA Onozawa」は、30日から上映するアニメ映画「この世界の片隅に」のチケットの売り上げ全額を、ユニセフなどを通してウクライナへの人道支援に寄付する。呉市などを舞台に普通の家族に迫る戦争を描いた作品。もともと来場者からの要望が多く上映を検討していたところ、2月に侵攻が始まり、急きょ上映を決めたという。

 同館を運営する和田浩章さん(32)は「ロシアやウクライナの人にも日常生活がある。多くの人に響くはず」と意義を強調。作品を手掛けた片渕須直監督からは「この状況での上映はすごくありがたい」とメッセージが寄せられたという。

 上映は4月10日までの予定。片渕監督から届いた非売品のコースターを先着25人に配る。同館☎0856(25)7577。

 松江市民活動センターでは同6日、ウクライナが舞台のイタリア映画「ひまわり」を緊急上映する。第2次世界大戦で引き裂かれた男女の悲しい愛を描いた作品で山陰映画センターが主催。会場に募金箱を置くほか、収益を寄付に回す。午後1時(満席)、4時、7時の計3回上映。事前予約1500円、当日1700円。同センター☎0852(25)5713。

 安来市総合文化ホールアルテピアでは同3日午前10時から午後2時まで、同市などのイチゴ、野菜、切り花農家や豆腐、パン、しょうゆ店など10以上の事業者が集い、ウクライナ応援チャリティーバザールを開く。収益の一部を在日ウクライナ大使館の寄付金口座に振り込む。

 発起人のやすぎ観光みかん園の佐伯勝美さん(69)は市内の国道9号沿いにウクライナ国旗をデザインしたのぼり10本と看板2枚を設置して応援の気持ちを発信している。「報道で惨状を見て傍観者ではいけないと思った。思いを行動に移す人がさらに広がるといい」とバザールへの来場を呼び掛ける。佐伯さん☎090(4578)8901。

(2022年3月30日朝刊掲載)

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