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ホロコーストに学び「最大限尽くす」 福山で日リトアニア国交100周年講演

 日本とリトアニアの国交樹立100周年を記念した講演会が29日、福山市御幸町のホロコースト記念館であった。リトアニアのアルギマンタス・ミセビチュス駐日臨時代理大使(64)が、同国でユダヤ人を救う「命のビザ」を発行した外交官の杉原千畝の功績に触れ、国際交流の発展や平和を呼び掛けた。

 講演は、新型コロナウイルスの感染防止対策で来場者を絞り約15人が参加。ミセビチュス氏は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツのホロコーストから同国に逃れたユダヤ人が約3万人いたと説明した。「杉原の偉業で何千人もの命が救われた」と感謝した。

 質疑応答で、盈進高2年の長谷川てまりさん(17)が「ホロコーストの学びが平和につながると思うか」と質問。ミセビチュス氏は「ホロコーストの歴史や現在のウクライナ侵攻から学び、それぞれが最大限のことをしていく必要がある」と強調した。

 講演に先立ち、長谷川さんたち同中・高ヒューマンライツ部の5人が、ミセビチュス氏と館内を見学。強制収容所のガス室で殺害された子どもたちの遺品の写真などを見て意見交換した。(原未緒)

(2022年3月30日朝刊掲載)

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