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サダコの折り鶴 母校で平和発信 兄 幟町小に寄贈へ

 広島市中区の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルで、白血病のため12歳で亡くなった佐々木禎子さんが病床で作った折り鶴が命日の25日、母校の幟町小(中区)に贈られることになった。兄雅弘さん(72)=福岡県=が理事長を務めるNPO法人サダコレガシーが23日、寄贈を公表した。同小は他校に貸し出し平和への思いを広める計画でいる。

 折り鶴は雅弘さんが保管していた5羽のうちの1羽で、セロハン紙で約1センチの大きさに折ってある。

 同法人はこれまで米ハワイのアリゾナ記念館ビジターセンター、ニューヨークの米中枢同時テロ追悼施設などに折り鶴を寄贈。その活動を知り、幟町小が提供を求めた。法人側の意向をくみ、来年度からインターネットなどで、貸し出しを希望する学校を募る。

 禎子さんは2歳で被爆。幟町小に通った。卒業を目前に入院し、8カ月後に亡くなった。瀬川照幸校長(57)は「学校のシンボルとして大事にする。児童は平和の発信に向けた思いを強くするはずだ」と強調する。

 禎子さんのおいで、同法人副理事長の祐滋さん(43)=東京都=は「禎子を身近に感じ、平和を大切にする心を持ってほしい」と話している。(田中美千子)

(2013年10月24日朝刊掲載)

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