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被爆樹木8割 爆心地向く 広島で集会

 被爆樹木が伝える原爆の記憶について学ぶ公開セッション(集会)が23日、広島市中区の原爆資料館東館であった。筑波大の鈴木雅和教授(環境デザイン)が、広島の被爆樹木の約8割が爆心地を向いて傾いているとする研究成果を明らかにした。

 鈴木教授たちの研究チームは9月、爆心地から2キロ圏内の被爆樹木約170本のうち、幹が1本の56本を調査。戦後移植されるなどした木を除く23本が爆心地方向に傾いていた。「幹の爆心地側は放射線や熱線で細胞が傷つき、成長が鈍ったのでは。被爆樹木は68年たった今も、生命力と消えない傷を伝えている」と解説した。

 セッションは、国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所の主催で約90人が参加した。被爆樹木の種や苗を世界に贈る市民グループ「緑の遺産ヒロシマ」の活動紹介や、建築家錦織亮雄さんによる広島の復興史の解説もあった。(加納亜弥)

(2013年10月24日朝刊掲載)

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