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安保理改革 日本に期待 ウクライナ駐日大使が会見

 ウクライナのコルスンスキー駐日大使は1日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。軍事侵攻で多くの命を奪ったロシアを改めて批判し、第2次大戦戦勝国の「拒否権」に縛られている国連安全保障理事会を「時代遅れだ」と強調。安保理改革に向けて日本政府に期待を寄せた。

 ウクライナ南東部マリウポリで、多くの子どもや女性が身を寄せていた劇場がロシアに空爆され「約300人が瞬時に亡くなった」と説明。産婦人科や子ども向けの病院にもミサイルが撃ち込まれるなど無差別な砲撃が続く窮状を訴えた。

 1986年に未曽有の事故が起きたチェルノブイリ原発が攻撃されたことについては「(ロシアは)砲撃が原子炉に当たれば大変なことになると分かっていたはずだ」と述べ、放射性物質の漏れ出しを懸念した。

 ロシアの拒否権で身動きが取りにくい今の国連体制では「安全保障の役割を果たせない」と指摘した。岸田文雄首相(広島1区)が安保理改革を唱えていることを念頭に「日本にリーダーシップを果たしてほしい」と求め、避難民を受け入れている自治体への感謝の言葉も口にした。(口元惇矢)

(2022年4月2日朝刊掲載)

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