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「黒い雨」巡回相談 広島県・市開始 援護区域外対象に

 原爆の「黒い雨」を国の援護対象区域外で浴び、健康不安を訴える人たちを対象にした広島県と広島市の無料巡回相談が24日、安芸区から始まった。来年2月まで、市内の他の6カ所でも開く。

 安芸区総合福祉センターにはこの日、放射線医療の専門医、臨床心理士、保健師の3人が待機。相談に訪れた2人は「体の不調が続き眠れない」「家族ががんで亡くなり、次は自分かと不安」などと訴えた。専門医は問診に沿って、専門科での受診を勧めた。

 相談に訪れた安芸区の女性(71)は原爆投下時、船越町(現安芸区)にいた。「きょうは話を聞いてもらえてよかったが、不安も残る。船越町も援護対象区域にしてほしい」と話した。

 県と市、周辺7市町は、援護対象区域を現在の約6倍に広げるよう国に求めている。相談事業は国からの委託で、各市町は今月1日、保健師が対応する常設窓口も設けた。巡回相談は今後、安佐北、佐伯、安佐南区でそれぞれ2回ずつ開く。事前予約が必要で、既に156人が申し込んでいる。(田中美千子)

(2013年10月25日朝刊掲載)

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