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「大阪判決 他地域でも」 在外被爆者訴訟 広島の支援者ら評価

 韓国に住む被爆者と遺族に対し、被爆者援護法に基づく国の医療費支給を認めなかった大阪府の処分を取り消した24日の大阪地裁判決について、広島地裁に同趣旨の訴えを起こしている在米被爆者の代理人や支援者は歓迎し、日本に住む被爆者と同様の援護の実現に期待を寄せた。

 広島地裁では昨年3月、74~84歳の在米被爆者13人が、医療費の支給申請を受理しなかった広島県の処分取り消しと、県と国に1人当たり計110万円の慰謝料を求める訴えを起こしている。

 弁護団の足立修一弁護士は判決について、「被爆者援護法に、海外在住者の医療費全額を国が負担することを認めないとの規定はない。適切な判断」と評価。広島での訴訟について「大阪と同じ判断が出てもおかしくない。被爆者は高齢化しており、国と県は裁判を続けず一刻も早く支給を認めるべきだ」と訴えた。

 在ブラジル・在アメリカ被爆者裁判を支援する会世話人の豊永恵三郎さん(77)も「画期的な判決。今後の在外被爆者の援護をめぐる訴訟に大きな風穴をあけた」と喜んだ。

 一方、広島法務局は「大阪の訴訟なのでコメントを述べる立場にない」、県被爆者支援課は「係争中であり、コメントできない」としている。(根石大輔、加納亜弥、門脇正樹)

(2013年10月25日朝刊掲載)

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