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入野忠芳さん死去 73歳 広島拘置所に外壁画

 広島拘置所(広島市中区)の外壁画を描いた洋画家の入野忠芳(いりの・ただよし)さんが24日午前0時16分、胆管がんのため広島市東区の自宅で死去した。73歳。広島市東区出身。自宅は広島市東区牛田本町4の9の2。葬儀は25日午前10時から広島市南区大州5の3の22、平安祭典広島東会館で。喪主は妻泰子(やすこ)さん。

 5歳の時、路面電車との接触事故で左手を切断し、自宅で被爆。それらの苦難を昇華した密度の高い作風が高く評価された。

 広島・基町高の美術部で活動し、武蔵野美術学校(現武蔵野美術大)を卒業。1963年に帰郷後、自宅に美術研究所を開き、後進を育てながら画業に励んだ。75年に現代日本美術展大賞、85年にヒロシマアートグラント、2006年に広島文化賞を受けた。

 89年、広島城の築城400年を記念し、広島拘置所に縦幅2メートル、全長約200メートルの壁画を制作。09年から修復に着手し、今春に終えたばかりだった。(道面雅量)

(2013年10月25日朝刊掲載)

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