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「広島の街がつくった映画」 「ドライブ」濱口監督、会見で感謝

 第94回米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督(43)が5日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見し、「広島の理解と応援がなければ映画はできなかった」と、ロケ地となった広島にあらためて感謝を述べた。

 濱口監督は「受賞のニュース映像は恥ずかしくてほぼ見ていない」と笑いつつ、「広島の方々が喜んでくれていると記事で読んだ。映画を愛してくれ、ありがたい」と喜びを語った。「自分たちの街がこの映画をつくったと胸を張ってほしい」とメッセージを寄せた。

 平和都市の街並みや瀬戸内の海辺での撮影を通して「光や風景、街の美しさが自然と映り込んだ」と説明し、「自分史上最も美しい映像が撮れた」と実感を込めた。「原爆投下から平和の理念の下に再設計された」広島ならではの魅力が映像を支えたという。「地に足を着けた映画作りに挑戦し続けたい」と抱負を述べた。

 会見には主演の俳優西島秀俊さん(51)、山本晃久プロデューサー(41)も出席。西島さんは「自分の信じる演技をやるしかない。その先に今回のような信じられない出来事が起きる」と晴れやかに話した。山本プロデューサーは次代を担う作り手にエールを送り、「学生のうちにたくさんの映画に触れてほしい。自分の中に面白いと感じる地盤をつくることが大切」と語った。(木原由維、山本庸平)

(2022年4月6日朝刊掲載)

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