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被爆者団体 反発の声 与正氏「核」発言 相次ぐ威嚇憂慮

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が韓国に対して核兵器の使用をためらわないと発言したことを巡り、広島の被爆者団体に6日、反発が広がった。

 金与正氏は4日付の談話で、韓国の徐旭(ソウク)国防相が北朝鮮への先制攻撃に言及したことを非難。韓国が軍事的対決を選ぶなら、「戦争初期」に「(北朝鮮の)核戦闘武力は任務を遂行せざるを得なくなる」と威嚇した。

 これを受け、広島県被団協の箕牧(みまき)智之理事長(80)は「核兵器の使用はいかなる場合も認められない。発言を全否定したい」と批判した。ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領も核兵器使用をちらつかせている状況を踏まえ「各国がブレーキが利かない状況になっている」と憂慮した。

 もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(77)は「威嚇によってでは朝鮮半島に平和は訪れない」と指摘。核兵器の使用や開発、使用するとの威嚇を全面的に禁じる核兵器禁止条約が昨年発効してもなお、使用の威嚇が相次ぐ現状に対し「時代が逆戻りしているよう。この流れを食い止めるためにも、廃絶の声を上げ続けるしかない」と力を込めた。(小林可奈)

(2022年4月7日朝刊掲載)

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